風邪について
風邪は、感冒やかぜ症候群、急性上気道炎などとも呼ばれる状態で、鼻や喉の部分に感染が起こり、さまざまな症状を引き起こす病気の総称です。気管支や肺に感染が及ぶ場合は、風邪ではなく気管支炎や肺炎とされます。風邪のほとんどはウイルスによるものです。特に幼児は年間で平均6〜7回風邪をひくと言われており、成長するにつれて回数は減少し、大人になると年間2〜3回程度に落ち着きます。
風邪の主な症状
風邪による主な症状としては、喉の痛みや鼻水、鼻づまり、そして咳が挙げられます。また、全身的な症状として発熱や頭痛が現れることもありますが、これらの症状はそれほど重くないことが多いです。
風邪で医療機関を受診する目安
生後3ヶ月未満の赤ちゃんが38度以上の発熱をした場合は、免疫力が弱く、病状が悪化しやすいため、早めに受診することが大切です。一方、生後3ヶ月以上の子どもであれば、熱が高くても元気であればしばらく様子を見てもよい場合があります。ただし、次のような症状が現れた場合には受診を検討しましょう。
・ 機嫌が悪く、周囲に関心を示さない
・ 顔色が悪く、ぐったりしている
・ 嘔吐が続いている
・ 水分を取れず、おしっこが出ない
・ 5日以上の発熱が続く
・ 日中や夜間問わず咳が止まらない、ゼーゼーとした呼吸音がある、または肩で息をするほどのひどい咳が出る
さらに、次のような状態が見られる場合には、緊急対応が必要な可能性があるため、救急車を呼ぶことも検討してください。
・ けいれんを起こしている
・ 呼びかけに反応せず、意識がぼんやりしている
風邪の治療について
風邪はウイルスが原因であるため、抗生物質は効果がありません。そのため、風邪の症状がひどい場合は、症状を軽減するための対症療法が行われます。たとえば、発熱や痛みにはアセトアミノフェン(カロナール、コカール、アルピニー、アンヒバなど)、咳にはチペピジン(アスベリン)やデキストロメトルファン(メジコン)が使用されることがあります。また、鼻水に対しては抗ヒスタミン薬が処方されることもあります。