気管支喘息とはどんな病気?
気管支喘息は、アレルギーなどが原因で空気の通り道である気管支が慢性的に炎症を起こし、呼吸がしづらくなる病気です。この病気では、気道が非常に敏感になりやすく、外部の刺激に反応して気管支が狭くなりやすい特徴があります。たとえば、風邪などの感染やホコリが気管支を刺激すると、気道がさらにむくんだり、縮んだりして、呼吸が苦しくなることがあります。この状態を「喘息の悪化」と呼びます。
喘息の発症にはアレルギーが大きく関わっており、多くの患者は何らかのアレルギーを持っていますが、全ての患者にアレルギーがあるわけではありません。
アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)には、ダニやハウスダスト(細かいホコリ)、ペット(犬や猫など)食べ物などがあります。
気管支喘息の症状
気管支喘息の主な症状には、発作的な息苦しさや咳があります。また、「ヒューヒュー」や「ゼーゼー」といった音を伴う呼吸(喘鳴:ぜんめい)が現れることがあります。これらの症状は特に夜間や明け方に多く見られます。喘息が非常に悪化した場合には、呼吸不全を引き起こし、命に関わることもあります。日本では年間1,000~2,000人が喘息で亡くなっており、その多くが65歳以上の高齢者です。子どもの喘息による死亡はまれです。
気管支喘息の診断について
診断において最も重要なのは問診です。患者がこれまでに喘息特有の症状を経験しているかどうか、また、アレルギーや喘息の家族歴があるかどうかを詳しく尋ねます。また必要に併せて血液検査などを行う場合もあります。
気管支喘息の治療について
喘息の治療の第一歩は、アレルギーの原因物質を生活環境から除去することです。例えば、部屋をこまめに掃除することや、カーペットを使わない、ペットを飼わないなどが推奨されます。
治療には大きく2種類の薬があります:
コントローラー:気管支の炎症を抑え、発作が起こらないようにするための薬です。発作が軽度でも、月に1回以上発作が起こる場合は、この予防薬を使用することが推奨されます。
リリーバー:発作が起こったときに気道を広げ、息苦しさを緩和する薬です。
喘息治療の目標は発作が起こらないように予防することであり、コントローラーの使用が重要です。発作時のみリリーバーを使い続けると、症状が悪化し、治りにくくなるため、長期的な管理が大切です。