~メニエール病は耳の心身症~
メニエール病は、めまいが特徴的な病気で、「めまい」と聞くとメニエール病を思い浮かべる人も多いです。
メニエール病のめまいは、視界がグルグル回るような、激しい回転性のめまいで、10分から数時間続きます。めまいの前後には耳鳴りや聞こえが悪くなる、耳が詰まった感じがするなどの症状が出ることが特徴です。
メニエール病のめまいはくり返し起こります。めまいは比較的長く続き、嘔吐を繰り返したり、立ち上がれないほどつらくなったりすることもあります。中には救急車で病院に運ばれる人もいます。聞こえ方も変化し、最初は低い音が聞こえにくくなります。初めはよくなったり悪くなったりするかもしれませんが、だんだんと悪くなり、高い音も聞き取りにくくなります。
メニエール病の原因は、「内リンパ水腫」という内耳が水ぶくれになることですが、最近の研究でストレスがメニエール病の発症や悪化に大きく関係していることがわかってきました。ストレスホルモンの増加により内耳にリンパ液がたまり、水ぶくれになることで、バランス感覚や聴力に影響が出ます。具体的には、仕事の負荷や悩み、離職、子育て、介護、肉親の死、離婚、人間関係など、大きなストレスが発症のきっかけとなることがあります。私はメニエール病を「耳の心身症」と考えています。
メニエール病の治療は、薬を使って内リンパ水腫を改善し、めまい、難聴、耳のつまりなどの症状に対処していきます。ほかにも、前庭リハビリテーション、手術などがあり、生活習慣の改善も含めた段階的治療が行われます。
メニエール病の改善には、ストレスを軽減し心の健康を回復させることが最も重要なのです。そのためには、患者さんの話をじっくり聞き、どのようなストレスがあるのかを理解することが必要です。心療内科のような治療も時には必要になる場合があります。メニエール病を改善するためには、まず耳鼻科で治療を受けることが大切ですが、その上で、病気の引き金となったストレスを取り除くために生活習慣を改善し、ストレスを軽減する方法を取り入れることこそが一番重要です。
メニエール病のチェックテスト
□ある日突然、めまいが起こった
□激しい回転性のめまいが何度もくり返し起こる
□一度、めまいが起こると10分程度から数時間続く
□めまいに伴い、吐き気・嘔吐がみられる
□耳鳴りや聴力の低下、耳の詰まった感じがある
これらすべての項目に当てはまればメニエール病かもしれません。
「めまいセンター」を一度受診してみませんか。