HOME > めまいセンター学会発表報告(第28回福山医学祭) : 2024.12.14

めまいセンター学会発表報告(第28回福山医学祭)

学会発表報告

堀病院めまいセンター

第28回福山医学祭に言語聴覚士2名が参加し、2題の口述発表を行いました。

1. 川村美穂、小坂範樹、廣兼大地、藤井礼華、河野達也、石川修司、平木信明、宇高毅、工田昌也:新しい平衡機能検査の導入. 第28回福山医学祭、11月10日、2024年、福山

2. 廣兼大地、川村美穂、小坂範樹、藤井礼華、河野達也、石川修司、平木信明、宇高毅、工田昌也:平衡機能に携わる言語聴覚士~堀病院めまい診療報告を通して~. 第28回福山医学祭.11月10日、2024年、福山

今回は、「新しい平衡機能検査の導入」について紹介します。

当院では、cVEMPとvHITの2つの組み合わせることでより詳細に前庭機能の障害部位を

判別できるようになりましたので、両検査の意義、有用性について症例も含めて2つ紹介します。

最初の1つは、2023年度、めまいセンター受診の患者の中で前庭神経炎・半規管機能低下を疑う49例に対して、cVEMPとvHITを施行し、障害部位を判別し、前庭神経炎と診断された11例に関して報告します。前庭神経炎は、平衡機能検査の進歩により3つのサブタイプに分類できるようになりました。検査結果より、上前庭神経炎73%(8例)、全前庭神経炎27%(3例)となりました。今回は、下前庭神経炎の症例はみられませんでしたが、前庭神経炎と診断された全症例に障害部位を判別することができ、サブタイプも同定することができました。

次は、2023年度、当院に突発性難聴で入院された患者33例に対してVEMPとvHITを施行し、明らかな前庭機能障害を伴う患者の割合を算出しました。突発性難聴は、約40%の方にめまいを併発することが知られています。検査の結果より、突発性難聴に明らかな前庭機能障害を伴う方の割合は、約3割でした。また、グルグルやフワフワなどのめまいの自覚はないものの、検査で約1割の方に前庭機能障害を認めました。今回、割合を算出したことにより、突発性難聴とめまいは密接に関係していることを再確認することができました。

最後に当院のめまいセンターは、患者に合わせて必要十分な検査を行い、有用性の高いデータを得ることで、100%のめまい診断を達成しています。今後も質の高い診療を継続するために、言語聴覚士の検査手技を向上し、医師のサポートに尽力していきたいと思っております。

 

 

 

 

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