顔面神経麻痺
原因不明の特発性顔面神経麻痺(Bell麻痺)とHunt症候群があります。
Hunt症候群は帯状疱疹ヘルペスウィルスが原因と考えられていますが、特発性顔面神経麻痺は基本的に原因不明です。
特発性顔面神経麻痺とは?
明らかな原因もなく、ある日突然、片側の顔面の神経が麻痺する病気です。一般には50~60歳代に多く、男女差はありません。麻痺は通常、片側性であり、両側性はほとんどありません。
原因
基本的には原因は不明です。推定では、ヘルペスウイルス感染説と、循環障害説があります。
- ウイルス感染説・・・ヘルペスウイルスが、顔面神経の細胞に感染するために起こる。
- 循環障害説・・・血管がけいれんを起こしたり、詰まったりするために顔面神経の細胞に栄養や酸素が足りなくなるために起こる。この血管の収縮は、ストレスによることが多いとされている。
症状
- 顔が曲がる(顔の筋肉が動かなくなる)
- 味覚がおかしくなる。
- 自分の声が耳に響く などの症状があります。
治療
- 発症して2週間以内に治療を開始すると、治りやすいといわれています。
- 発症より時間が経過すると治りにくくなる。
- 当院では発症7~10日後に、誘発筋電図検査を行い、予後判定を行います。
具体的な方法としては、
- ステロイド剤の内服または点滴(最も一般的な治療)
- 血管拡張剤(プロスタンジン)
- 抗凝固剤
- 代謝賦活剤やビタミン剤(細胞の働きをよくする)
- 星状神経節ブロック:スーパーライザー(耳の血流を良くする)
- 高気圧酸素療法
- マッサージ、リハビリ
- 手術(顔面神経管開放術)があり、
当科では治療効果をあげるため、入院のうえ、1・2・4・5・7を組み合わせた治療を行っています。 その他に、民間療法として漢方や、針治療があります。
経過
治り方は様々ですが、発症後2週間~1ヶ月位して治療効果がはじめる人が多いです。
治癒率は90%程度と言われています。