医者の言葉はなぜわかりにくい?

医者の言葉がわかりにくい理由はいくつかあります。

①専門用語の使用: 医学は専門的な分野であり、医者は日常的に専門用語を使用します。これらの用語は、特定の病状や医療手法を正確に表現するために作られたものです。しかし、一般の人にとっては馴染みがなく、理解するのは難しいかもしれません。

複雑な概念の説明: 医療は複雑な概念や理論に基づいています。疾患の原因や治療法に関する情報は、科学的な研究や解剖学的な知識に基づいていることが多いため、これらの情報を一般の人に理解してもらうためには、簡潔でわかりやすい説明が必要ですが、それが常に容易なわけではないことが分かりにくい原因となることがあります。

時間の制約: 医者は忙しいスケジュールを抱えており、患者の問題に対して限られた時間しか割けないことがあります。そのため、状況を説明する際には迅速に情報を伝える必要があります。その結果、専門的な用語や短縮形が使用され、それが患者にとって益々理解しにくくなることがあります。

患者の背景知識の不足: 医者は医学の専門家ですが、患者は医療の専門家であるわけではありません。患者が特定の病状や治療法についての事前知識を持っていない場合、医者が説明する内容がより理解しづらくなります。

これらの要素が組み合わさることで、医者の言葉が一般の人にとってわかりにくくなることがあります。しかし、医者は患者が理解できるように配慮することも重要です。もし医者の言葉がわかりにくい場合は、遠慮せずに質問をするか、医者に説明を求めることをおすすめします。

 

 それではどうすればお互いに理解しやすくなるのでしょう?

◎医者の立場から気を付けること

医者は患者が理解しやすいように配慮することが重要です。以下に医者が気を付けるべきポイントをいくつか挙げます。

①専門用語を避ける: 医者は専門用語を避けるか、できるだけ簡潔でわかりやすい言葉で説明するように心掛けるべきです。もし専門用語を使用する必要がある場合は、それに対する簡単な説明を付け加えることで患者の理解を助けることができます。

簡潔な説明と具体的な例: 複雑な概念や治療法を説明する際には、簡潔かつ具体的な説明を心掛けることが重要です。長い解説や抽象的な説明は患者にとって理解しにくくなる可能性があります。

質問への応答: 患者から質問があった場合には、医者は丁寧に応答することが求められます。患者が質問をするのをためらったり、医師からの回答がよくわからないと言われたりした場合には、よりわかりやすい説明や例を用いて患者の疑問に応えるべきです。

患者の背景や情報の把握: 医者は患者の背景や前提知識を把握することで、より適切な説明やアドバイスを提供することができます。患者の言葉で症状や状況を説明してもらうことや、必要な情報を的確に尋ねることが重要です。

タイムマネジメント: 医者は忙しいスケジュールを抱えているため、時間の制約がある場合があります。しかし、患者の理解を確認し、質問に対する適切な回答を提供するために、十分な時間を割くように努めるべきです。

医者は患者とのコミュニケーションを大切にし、患者が医療情報を理解しやすい環境を提供することが求められます。それによって、患者が主体的に治療に参加し、より良い医療結果を得ることができるでしょう。私も上記の医師としての姿勢を常に忘れないよう努力しております。

 

◎患者の立場から

患者の側でも、医者とのコミュニケーションを円滑にするために以下の点に気を付けると良いでしょう。

疑問や質問を積極的にする: 自分の状態や治療に関して理解しきれない点や不明な点があれば、遠慮せずに医者に質問しましょう。疑問や不安を解消するためには、医者との対話が重要です。

医者の説明を要約して確認する: 医者からの説明がわかりにくい場合や専門用語が使われた場合には、自分なりに要約して理解した内容を医者に確認しましょう。医者はその内容に対して補足説明や修正を行うことができます。

メモを取る: 医者からの情報や指示をメモすることで、後で復習したり他の人に説明したりする際に役立ちます。重要なポイントや治療計画、薬の名前や服用方法などをメモしておくと良いでしょう。

自分の病歴や症状を正確に伝える: 医者に対して正確な情報を提供することは重要です。自分の病歴や症状、アレルギーの有無などを正確に伝えることで、より適切な診断や治療を受けることができます。診察を受ける前に、聞きたいことや伝えたいことをまとめておくのも良いでしょう。

サポートを求める: 医者とのコミュニケーションに困難を感じた場合や、情報の理解に苦しんでいる場合には、家族や友人と一緒に医師の診察に同席してもらうことも考慮してください。サポートを受けることで、情報の理解や医療の意思決定が容易になるかもしれません。

 以上のポイントを意識することで、医者とのコミュニケーションがスムーズになり、自身の健康管理に積極的に参加できるでしょう。

 

めまいセンターに受診するにあたって、お願いしたいこと。

最初に、めまいの診断はどんな時期でも可能です。

時には、医者から、

「めまいがしている時に来てもらわないとよくわかりません。」

と言われることがあるかもしれません。しかし、めまいがひどくて吐いたりしている時には病院に行くのも困難で、どうしてもという時は救急車でということになります。ところが、めまいがひどい患者さんでは脈拍、血圧、呼吸状態などの一般的診察や眼振検査などはできますが、聴力検査、詳しい平衡機能検査などを行うのは難しいことがあります。かえって少しめまいが収まった時のほうが、より詳しい検査ができて正しい診断ができることも多いのです。逆に、現在、めまいが全く無くない状態でも『めまいセンター』では診断は可能です。めまいが気になったらいつでも『めまいセンター』を受診してください。

ご自身のめまいについて、

めまいがどのようなものか、例えば、回転性めまい(ぐるぐる回る感覚)、浮動性めまい(ふわふわする感覚)、失神様めまいあるいは失神前駆症状(気を失うよう、目の前が暗くなる)、平衡失調(バランスが悪い、ふらつく)など、どの様なめまいか、ご自身の言葉で表現していただいて構いません。

②めまいは今回初めて起こったか、以前にもあったか。

③めまいはどのくらい続いたか? 数十秒、1時間くらい、1日以上、ずっと続いているなど。

④めまいと同時に耳が聞こえにくくなったり、耳が詰まった感じや、耳鳴りが出てきたりしたかどうか。

⑤どのような時にめまいが起こったか。例えば、朝起きた時急に、体を起こしたり、上は下を向いたりしたとき、など。

⑥めまいが起きる前に、強いストレスがあったり、睡眠不足など普段と違うことがあったりしたか。

⑦めまいの他に頭痛がある、言葉が不明瞭になった、手足や顔がしびれるなどの症状がないか。

このようなことをできればメモをするなどして、まとめて教えていただければよいと思います。

また、糖尿病、高血圧、などの成人病や、現在、病院にかかっている場合の病名などは必ず伝えてください。現在お薬を服用されていれば、お薬手帳は必ず持参してください。薬の飲み合わせや、同じ種類の薬を避けるためにも必要なのです。

 

受診の際、診察後など、わからないことや、疑問に思うことがあれば、遠慮せずにたずねてください。それによって、お互いの理解が進みます。病気は医者だけではなく、患者さんと医者が二人三脚で治していくものです。今まで治らなかっためまいが治って患者さんの顔が別人のように明るくなったのを見るのは医者としての喜びです。不安な時は『めまいセンター』でぜひ相談してみてください。

ページの先頭へ

長引く症状、手術のオンライン相談はこちら