突然聞こえが悪くなる

突発性難聴

突発性難聴とは?

①突然に発症する ②原因不明の ③音がほとんど聞こえない状態、という3つの特徴を持つ症状です。今まで何の病気にもかかったことがない人が、明らかな病気もなく、突然片側の耳が聞こえにくくなる病気です。原因は、今の所よくわかっていません。しかし、最近の研究では聴こえの神経への血流障害やウイルスによる障害が考えられています。症状としては、次のようなものがあります。

  • 突然聞こえが悪くなる
  • 急に耳がふさがったようになる(水が入った感じ、膜が張ったような感じ)
  • 自分の声が耳に響く
  • 耳鳴り
  • めまい、吐き気

 

治療内容

突発性難聴は治療によって回復が期待できる数少ない難聴のひとつです。発症して1週間以内に治療を開始すると、治りやすいと言われています。発症後約一か月経過すると聴こえは固定してしまう場合が多いので、出来るだけ早く治療を開始することが重要です。

  • 心身の安静・日常生活は平常通りでかまいませんが、1~2週間は重労働や精神的ストレス が加わらないようにしましょう・仕事上、診断書や証明書の必要な方はご相談下さい。
  • 薬物治療・主として薬物の治療を行いますが、点滴を併用することもあります。使用する薬剤は血液の流れをよくする薬剤、 代謝賦活剤、ビタミンB剤、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)などです。
    また、症状の程度に応じて入院をお願いすることもあります。
  • 当院では難聴に対する高気圧酸素治療を行っております。高気圧酸素治療は服薬などの通常治療では効果がない症例に対しても有効な場合があります。詳しくはこちらのページをご覧ください。

注意事項

副腎皮質ホルモン剤を使用した場合は、にきび、顔やおなかに丸みがつく、食欲増進、胃腸障害などの副作用がでることがありますが、短期間の使用であり徐々に減量していきますので心配はいりません。そのような症状がありましたら医師に申し出て下さい。

予後

病気の程度や、治療方針にもよりますが、発症後1週間以内に治療を始めると、約40%前後は完全に治る、また約30%は回復するが難聴を残す(計約60~70%が回復する)、残りの30%は治らないと言われています。再発することや対側が罹患することはほとんどないと言われています。
治り方は様々で、2、3日で回復する人や、ほんの少しずつ聴力があがっていく人、2週間あるいは1ヶ月位して治療効果のではじめる人と様々です。

生活における注意事項

  • 基本的に安静です。
  • 食事は暴飲暴食を避け、お風呂の長湯はやめましょう。
  • 適度な運動は積極的に行ってください。
  • ストレスもよくないため、精神的な安静も心がけてください。(なるべく仕事から離れましょう)
  • タバコは血管を収縮させ、治療の妨げになるので禁煙しましょう。

低音障害型感音難聴

低音障害型感音難聴とは?

突発性難聴のようにある日突然難聴が起きる病気ですが、特に低音 (低い音)だけが聞こえなくなるため自覚症状としては難聴というより耳閉塞感を主に訴える方 が多いものです。耳鳴りを伴う場合もあります。またメニエール病と関係が深いといわれており、その後めまいが出現しメニエール病へ移行することもあります。あらゆる年代に起きますが、比較的若い20~30代の女性に多い印象を受けます。ここ10年くらいの間に、患者数は非常 に多くなってきています。

治療内容

確実に治る治療法はまだ解っていません。ただ、難聴が軽い方は3種類 ほどのお薬を、発症してから2週間以内に飲み始めて頂ければ、8割の方が治ります。すぐ完治する方でも、3~4日かかることが多いので、 あせらずお薬を続けて下さい。

(1)ビタミンB12製剤:内耳に必要なビタミンです。
(2)脳循環改善剤(アデホス・カルナクリン):内耳の血行をよくします。
(3)利尿剤(イソバイド):内耳水圧を下げます。
(4)柴苓湯(さいれいとう)等の漢方薬 : 内耳の浮腫を取るといわれています。
(5)ステロイドホルモン剤(プレドニン):急な神経麻痺(神経のむく み)を改善します。

ステロイドというと、よく副作用が問題になる薬ですが、高血圧・糖尿病など無ければ、ここでの量・期間では、まず副作用のご心配はいりません。(ただ、徐々に減らしていく必要がありますので、決してご自分の判断で中止しないでください。また経過により血液検査が必要となる場合があります。)その他、ストレスや疲労を避け、睡眠をとって頂くことも治療の手助けとなります。以上の治療でなかなか治らない場合は、点滴治療や入院治療をおすすめする場合があります。

注意事項

治療の途中で聴力が変動する方は、治るまでまで1ヶ月から数ヶ月かかります。 めまいがある場合は、メニエール病という内耳の慢性病の初期のことがあり、もう少し治療期間が必要です。症状がなければ治っていると考えられて結構ですが、薬は途中で止めないようお気をつけください。容易に改善した方でもその後すぐに再発する事もありますので、完治したといわれるまではしっかり通院してください。

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