<コラム24>肩こりとめまい ~なぜ肩こりや首のこりでめまいが起こるの?
めまいの原因はいろいろありますが、その原因が脳や耳の異常ではなく、首(肩)のコリなどから誘発されるめまいを頸性めまいといいます。症状としてはフワフワした浮動性のめまいかグルグル回る回転性のめまいを起しますが、患者さんによって症状や程度は様々です。それではなぜ首や肩の凝りからめまいが起こるのでしょうか。
首や肩の筋肉が緊張しすぎると、次のような影響が出ることがあります。
- 脳への血流が悪くなる
首には脳へ血液を送る大切な血管(椎骨動脈)が通っています。肩や首のこりがひどくなると、この血流がスムーズに流れにくくなり、酸素や栄養が脳に十分に届かなくなることでめまいが発生します。 - 神経の働きが乱れる
首には平衡感覚(バランスを取る機能)を調整する神経もあります。長時間の同じ姿勢や過度なストレスによって、神経が正常に働かなくなり、めまいを感じることがあります。 - 目や姿勢の影響
スマホやパソコンの長時間使用による眼精疲労、姿勢の悪化(猫背)や逆にストレートネックも首や肩の負担を増やし、めまいの原因になります。
こんな症状があるときは「頸性めまい」の可能性
- 頭がふわふわする感じがする
- 立ち上がるときや歩いているときにフラつく
- 首や肩がガチガチにこっている
- 頭が重く感じる
- めまいと一緒に頭痛や吐き気がある
改善するためのストレッチと呼吸法
首や肩のこりをほぐし、血流を良くすることで、めまいを軽減できることがあります。以下のストレッチを試してみましょう。
① 首のストレッチ(前後・左右)
- 椅子に座り、背筋を伸ばします。
- 両手を頭の上で重ね、前に倒して上半身全体を伸ばします。
- 次に左右にもゆっくり倒し、首の横側を伸ばします。
- 深く呼吸しながら、5〜6回繰り返します。
② 首の横倒しストレッチ
- 肩を水平に保ち、まっすぐ前を向きます。
- ゆっくりと耳を肩に近づけるように首を倒します。(肩が一緒に動かないように注意)
- 倒した状態をキープしながら10〜15秒かけて息を吐きます。
- 1日3回程度行いましょう。
③ 肩のストレッチ
- 背中の後ろで手を組みます。
- ゆっくりと手を持ち上げ、肩甲骨を寄せるようにします。
- 1日3〜4回、リラックスしながら行いましょう。
日常生活で気をつけたいポイント
- 長時間同じ姿勢を避ける
こまめに体を動かし、1時間に1回は首や肩をほぐしましょう。 - スマホ・パソコンの使いすぎに注意
目の疲れを防ぐために、適度に休憩を入れることが大切です。 - 正しい姿勢を意識する
猫背にならないように、背筋を伸ばして座る習慣をつけましょう。 - 深呼吸をする
ストレスが溜まると、肩や首の筋肉が余計に緊張します。ゆっくり深呼吸をすることでリラックスできます。
病院に行くべきタイミング
以下のような場合は、医療機関を受診しましょう。
- 2日以上めまいが続く
- めまいが強く、日常生活に支障が出る
- 頭痛、吐き気、しびれなどの症状もある
めまいの原因はさまざまですが、首や肩のこりが関係している場合、生活習慣の見直しやストレッチで改善できることもあります。無理せず、自分の体と向き合いながら対策をしていきましょう!もし、何か心配があれば、堀病院 めまいセンターを受診してみてください。