運転中のめまいはどうして起こる? ~視覚性めまい?それとも他の原因?~

  1. 視覚性めまいとは?

視覚性めまい(Visual Vertigo)とは、目で見た情報と体の感覚がうまく合わないことで起こるめまいやふらつきのことを指します。特に、車の運転中に発生する場合は、目から入る情報が速く変化し、それを脳が適切に処理できなくなることで起こります。

 

  1. なぜ運転中にめまいが起こるのか?

人間の体は、バランスを取るために次の3つの情報を組み合わせています。

・耳の奥(前庭系) … 頭の動きを感じる。

・目(視覚系) … 周囲の動きを捉える。

・筋肉や関節(固有感覚) … 体の位置を把握する。

運転中は、周囲の景色がどんどん流れるため、視覚の情報が大きく変化します。通常はこれを耳や筋肉の感覚と合わせて処理しますが、うまく統合できないと「感覚のズレ」が生じて、めまいや違和感につながるのです。

 

  1. どんな状況で起こりやすい?

運転中にめまいを引き起こしやすい場面として、以下のようなものがあります。

・流れる景色が多い場所(例:トンネル、高速道路、他の車が多い場所)

・視覚的な基準点がない場所(例:広い駐車場や雪道)

・点滅する光やまぶしい光がある場所(例:夜間のネオンや太陽の反射)

・カーブや車線変更が多い場所(視線を急に動かすと負担が増える)

また、もともとめまいの症状がある人は、こうした状況で症状が悪化しやすくなります。

 

  1. めまいの原因

運転中のめまいは、以下のような原因で起こることがあります。

  1. 耳の問題(前庭系の障害)

・前庭性片頭痛 … 片頭痛とともに、視覚の動きに敏感になる。

・良性発作性頭位めまい症(BPPV) … 頭の動きでめまいが起こる。

・メニエール病 … 耳鳴りや難聴を伴い、めまいが悪化しやすい。

・前庭神経炎・内耳炎 … バランスを取る機能が低下する。

  1. 神経の問題(脳や神経系の障害)

・持続性姿勢知覚性めまい(PPPD) … 長く続くふらつき。

・頸性めまい … 首のこりや姿勢の影響で起こる。

・多発性硬化症(MS) … 視神経の障害が影響することがある。

  1. 目の問題(視覚の異常)

・ピントが合いにくい … 目の疲れや乱視、老眼など。

・左右の視力差が大きい … 両目で見た情報がズレる。

  1. 心理的な要因

・運転に対する不安 … ストレスが視覚の敏感さを増す。

・過去のケガや脳震盪 … 視覚情報への耐性が低下する。

 

  1. どんな症状が出る?

運転中に視覚性めまいを感じる人は、以下のような症状を訴えることが多いです。

・頭が回るような感覚(回転性めまい)

・フワフワする感じや揺れる感じ

・視界がぼやける、物が歪んで見える

・車線をまっすぐ走るのが難しい

・吐き気や目の疲れ、頭痛が起こる

・運転後にひどく疲れる

 

  1. 診断方法

医師は、以下のような方法で診断を行います。

1.問診 … いつ、どんな場面でめまいが起こるかを確認。

2.身体検査 … 目の動きや耳のバランス機能をチェック。

3.特殊検査 … 必要に応じて、MRIや前庭機能検査、眼科的検査を実施。

 

  1. 改善方法と治療

 

視覚性めまいの治療には、いくつかのアプローチがあります。

  1. バランス訓練(前庭リハビリテーション)

・目と体のバランスを鍛える運動 … 頭の動きに慣れる訓練。

・視覚の適応訓練 … 画面を見ながらバランスを取るトレーニング。

  1. 薬物療法(症状が強い場合)

・めまいを抑える薬(メニエール病、片頭痛の場合など)

・抗不安薬や抗うつ薬(PPPDやストレスが原因の場合)

  1. 運転時の工夫

・1点を集中して見る(周囲の流れる景色に惑わされないようにする)

・急に頭を動かさない(ミラー確認はゆっくりと)

・偏光サングラスを使う(まぶしさ対策)

・まずは低速道路で練習(高速道路の運転を避ける)

  1. 心理的アプローチ

・運転不安の克服(認知行動療法など)

・リラックス法の習得(マインドフルネスや深呼吸)

 

  1. まとめ

運転中の視覚性めまいは、目と体の感覚のズレが原因で起こります。耳の問題、視覚の異常、神経系の障害、心理的な要因などが関与しており、適切な対処をすれば症状を改善できます。

治療には、リハビリや薬の活用、運転時の工夫が有効です。専門医(耳鼻科、神経科、眼科)と相談しながら、自分に合った方法を見つけていきましょう。どこに行こうか迷ったら「堀病院 めまいセンター」に相談してください。

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